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CASE02

全方位型介護サービスの実現を目指して。 全方位型介護サービスの実現を目指して。

PROFILE

長きにわたって新規事業開発のキャリアを歩み、ニッケに転職後も、テニススクールの開発等に携わる。
現在は人とみらい開発事業本部 ライフバリューサービス部の部長として、介護領域に留まらず、
保育やスポーツなどの面からも、社会に貢献するサービスの開発を目指している。

ニッケにしかできない介護がある。 ニッケにしかできない介護がある。

私が介護事業に関わることになったのは2009年のこと。当時、厚生労働省では「訪問」「通い」「宿泊」そして「入所」など、多様なニーズに対応できる施設・サービスの拡充を強く推進していました。一方、ニッケが展開しているのは「通い」中心のデイサービスなどの介護施設でした。世の中の流れやニーズと照らし合わせると、もっとできることがあるのではないかと感じていました。そもそもニッケは全国各地に多くの不動産を所有しています。すでにあるデイサービスなどの施設も所有する建物(不動産)をリノベーションしたもの。他の事業者に比べればランニングコストがかからないため、その分、施設やサービスを充実させることができます。さらにニッケには私たち社員の思いを全力で応援し、形にしていく土壌があります。ニッケにしかできない介護サービスがあり、それを形にしたい。そう考えた私は、新たな介護サービスの開発に挑むことを決めました。

認知症という避けては通れない問題 認知症という避けては通れない問題

新しい介護サービスをつくるために、私が最初に行ったのはホームヘルパー2級(現:介護職員初任者研修)の取得。一介護職員として各施設で介護・介助業務に携わることで、現場の課題を洗い出していきました。その中で特に深刻だったのが認知症の問題です。規模が大きいデイサービスでは、利用者が多いこともあって、利用者同士のトラブルがしばしば発生。さらに職員がそこに手を取られて業務が滞るなど、利用者様にとっても職員にとってもストレスフルな状況に陥っていました。原因は利用者間のコミュニケーション不全。認知症の利用者様と意思疎通がうまくできていないことが原因となっているようでした。高齢化が進む中で認知症の方の数も増加を続けています。ますます深刻化する課題を解決するために考えたのが、認知症の利用者様とそうでない利用者様のそれぞれで居心地の良い環境を整えてサービスを最適化すること。認知症に特化したデイサービスをつくり、職員の増員や専門の教育を受けた職員の配置など、ストレスフルな状況の解消に繋がる体制と空間づくりを考えました。そうして2011年に誕生したのが認知症デイサービス「れんげの家」です。

あらゆる介護度・ニーズに対応する介護村構想 あらゆる介護度・ニーズに対応する介護村構想

もう一つの大きな課題が、老人ホームなどの入所施設を整備しておらず重度化した利用者様は仕方なく病院あるいは他の入所施設に転移していかれること。現場の職員からも「利用者様を看取りまでケアできないことが悔しい」という声をよく聞きました。「訪問」も「通い」も「宿泊」も、すべてに対応する複合的な拠点があればいいのではないか?介護度やニーズが変わっても、同じ拠点内にある施設に移りサービスを受けることができれば、利用者様もご家族も安心です。さらには看取りまでケアしたいという現場の声にも応えることができます。そして、それは不動産を所有するニッケにしかできない介護の新しい形でもありました。ただし、それはあくまでも理想像。看取りまでケアをするには、リスクも伴います。何かあれば企業全体の信用を失うことにも繋がりかねません。そのため、社内には反対の意見も多くありました。結果的には、万が一のリスクに対処する経験値は運営ノウハウ形成の契機として捉え、グループ全体で向き合うという決心のもと理解を得て、構想が前進。一つの拠点で在宅生活から認知症支援、そして看取りまで、トータルでサポートする「ニッケ介護村」が、2012年に形になりました。

誰もが生きがいを感じられる社会を目指して 誰もが生きがいを感じられる社会を目指して

加古川、一宮、岐阜、市川へと広がるニッケの介護村。高齢化が進み、そのニーズが高まる一方で、介護職員の不足は益々深刻になってきています。こうした問題は、介護の現場だけで起こっているわけではありません。人生100年時代という人類がまだ経験したことのない時代を迎えようとしている今、社会のいたるところで歪みが生まれ始めています。こうした社会の課題に挑み、「誰もが生きがいを感じられる社会をつくる」という国が掲げるビジョンを実現していくのが、私たちライフバリューサービス部の役割です。ライフバリューサービス部では、介護をはじめ、保育やスポーツ施設など、さまざまな事業を展開しています。例えば介護と保育を組み合わせれば、もっと多くの笑顔をつくりだすことができます。スポーツを通じて高齢者の健康を促進することで、介護の負担を減らすこともできるでしょう。多岐に広がる事業フィールドを活かした私たちにしかできないやり方で、年齢や性別を超える、すべての人が生きがいを持って活躍できる社会をつくっていきたいですね。

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