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ウールについて

ウールの歴史をたどる 海外編2

メリノ種羊の誕生は、スペイン帝国の時代。

アパレル用として現在、最も代表的な「メリノ・ウール」は、12世紀の大スペイン帝国で生まれました。

スペインは、優れた羊の品種改良技術を持つローマと北アフリカの牧畜民族ムーアの支配が長く続き、このおかげで良質の羊の改良に成功。純白で縮れが多く細い「スペイン・メリノ」が誕生したのです。
メリノ羊は、スペイン大航海時代を築く莫大な富をもたらしました。国王はメリノ羊の輸出を法で禁止。しかし、国王自身がフランスやオランダにメリノ羊を贈ったことが後の「南アフリカ・メリノ」→「オーストラリア・メリノ」へと発展していきます。

 

英国の産業革命が、近代羊毛工業の基礎を確立。

羊は18世紀までは、王様や貴族たちの大切な所有物であり、毛織物は庶民には手の届かない憧れでした。それが18~19世紀にかけてのイギリスで起こった産業革命により羊毛工業が飛躍的に発展。一般の人々にも毛織物が普及しました。

英国の産業革命が、近代羊毛工業の基礎を確立。

現在、世界の羊毛生産量トップであるオーストラリアに羊が持ち込まれたのは1797年。英国の植民地だった頃で、英国陸軍大尉ジョン・マッカ
ーサーが南アフリカからスペイン・メリノを8頭買い付けたことが始まりだといわれています。 以来、このメリノ羊をもとに世界最大の牧羊王国へと発展。豪州の羊の75%はメリノ種で、アパレル用に最適なソフトでしなやかな純白のウールを産出し、世界に供給しています。

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